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Jリーグ 2年前

J1全18クラブ総合評価ランキング。優勝候補のA判定、苦戦予想のE判定はどこ?【2022年版】

シリーズ:Jリーグ総合評価ランキング text by 編集部 photo by Getty Images

E評価

京都サンガ

京都サンガF.C.



監督:曹貴裁
昨季順位:2位(J2)

 湘南ベルマーレを3度昇格に導いた曹貴裁監督を招聘した京都サンガは、12年ぶりの昇格を果たした。京都は昨季の主力を残しつつ、チームに新たなエッセンスをもたらす新戦力を加えた。彼らがJ1残留のカギになりそうだ。

 守備の要であり、得点源でもあったヨルディ・バイスとの契約を延長せず、アピアタウィア久、井上黎生人、メンデスという3人のセンターバックを加えた。井上とメンデスは昨季のJ2で良いパフォーマンスを見せており、アピアタウィアは後半戦でレギュラーに定着した。3人とも将来性がある存在だが、バイスの穴を埋める活躍ができるかどうかは未知数だ。

 21得点10アシストと大活躍だったピーター・ウタカも、今季で38歳。2017年以来となるJ1でもゴールを量産できるかは未知数なので、豊川雄太の加入は心強い。山崎凌吾と金子大毅も湘南時代に指揮官を師事した1人で、スタイルへの適応に不安は少ない。彼らが昨季の主力たちを脅かす存在になれば、J1残留を勝ち取れるだけのポテンシャルはある。

ジュビロ磐田

ジュビロ磐田

監督:伊藤彰(新任)
昨季順位:優勝(J2)

 勝ち点91でJ2を制したジュビロ磐田は、3年ぶりにJ1に帰ってきた。鈴木政一監督は勇退、体調不良の指揮官の代役を務めた服部年宏コーチもチームを去り、ヴァンフォーレ甲府を率いていた伊藤彰監督が就任している。

 ただ、それ以外のポジションではほとんどの主力がチームに残った。上原力也が復帰し、遠藤保仁、金子翔太、伊藤洋輝が抜けた穴を埋めた伊藤槙人が完全移籍に切り替わったこともプラス材料だ。DFリカルド・グラッサ、MFドゥドゥも的確な補強だが、来日が遅れている点が不安材料になる。

 最大の課題は、得点王ルキアンの穴をどう埋めるかだろう。代役として磐田が獲得したのは、杉本健勇(期限付き)とジャーメイン良。両者ともJ1での経験は長いが、前者はここ4年で11得点、後者はキャリア通算5年間で8得点と心許ない。杉本の復活か、ジャーメインのブレイクスルーか、2年目のファビアン・ゴンザレスの適応か。そのどれかが実現すれば、残留というミッションに近づくはずだ。

柏レイソル

柏レイソル

監督:ネルシーニョ
昨季順位:15位

 一時は降格圏に沈み、15位でシーズンを終えた柏レイソルは、2022シーズンもネルシーニョ監督の下で戦う。長年に渡ってチームを支えてきたクリスティアーノが去り、11人が新たに加入した。

 得点源として期待される新戦力はドウグラスだ。ドウグラスは清水エスパルス時代の2019シーズンには14得点、常時出場とはならなかったヴィッセル神戸でも、2年連続で7得点をマークしている。さらに、中村慶太や小屋松知哉といったあたりが、神谷優太の抜けたポジションを争うことになる。

 懸念材料は最終ラインの補強だろうか。昨季リーグワースト3位の守備陣に加わったのは、22歳の岩下航と育成組織から昇格した田中隼人の2人のみ。高橋峻希と山下達也の両ベテランがチームを去り、世代交代が図られた形だ。将来性のある2人がJ1の舞台でどのような活躍を見せるかは未知数。今季も失点がかさむようだと、残留争いを強いられることになる。

サガン鳥栖

サガン鳥栖

監督:川井健太(新任)
昨季順位:7位

 毎年主力を抜かれながらJ1に生き残ってきたサガン鳥栖だが、今年こそが最大の正念場と言っていいだろう。金明輝監督がパワハラ問題で退任し、モンテディオ山形でコーチを務めていた川井健太監督が就任した。チームの半数以上が新戦力となり、文字通りチームは生まれ変わる必要を迫られている。

 今季も主力が他クラブに移籍している。夏に移籍した林大地を含めれば、昨季のチーム得点ランキング上位勢が揃って移籍。樋口雄太、仙頭啓矢といった中盤の要から、山下敬大や酒井宣福という得点源まで、このオフは根こそぎ引き抜かれた。43得点のうち36得点を挙げた6人が抜けただけでなく、DFラインも20歳の大畑歩夢は浦和レッズに。さらに、とどめを刺したのはエドゥアルドの横浜F・マリノス移籍だった。

 頼みの綱は“出戻り組”の活躍にありそうだ。藤田直之、福田晃斗、小野裕二にかかる期待は大きい。そして、徳島ヴォルティスでブレイクの兆しを見せた宮代大聖と垣田裕暉の加入も心強い。西川潤、インカレMVPの荒木駿太などポテンシャルの高い若手も多い。彼らの活躍次第に残留の希望を託したい。

【了】

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