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Jリーグ 2年前

J1全18クラブ総合評価ランキング。優勝候補のA判定、苦戦予想のE判定はどこ?【2022年版】

シリーズ:Jリーグ総合評価ランキング text by 編集部 photo by Getty Images

B評価

名古屋グランパス

名古屋グランパス



監督:長谷川健太(新任)
昨季順位:5位

 名古屋グランパスはリーグ戦で3位争いに敗れたが、YBCルヴァンカップ制覇は今季につながるはずだった。しかし、マッシモ・フィッカデンティ監督と袂を分かち、長谷川健太監督を迎え入れた。新指揮官は実績も十分で、前任者のスタイルとの類似点もあるが、メンバーは大きく入れ替わることになった。

 オフの動向を見る限り、ネガティブな要素は少なくない。稲垣祥の相棒だった米本拓司の移籍は痛手で、36歳のレオ・シルバが米本の穴を埋める必要がある。アグレッシブさと献身性を兼ね備えた前田直輝は新監督のスタイルにもフィットすると見られていたが、オランダ移籍を選んだ。山崎凌吾、ガブリエル・シャビエルは同じJ1のクラブへと移籍している。

 昨季のチーム得点王は8得点の稲垣だった。シュヴィルツォクのドーピング問題が長引くようだと、チームは得点力不足に悩まされるかもしれない。サガン鳥栖から加入した酒井宣福、仙頭啓矢が得点源として結果を残せなければ、昨季より順位を落とすことになりかねない。

鹿島アントラーズ

鹿島アントラーズ

監督:レネ・ヴァイラー(新任)
昨季順位:4位

 鹿島アントラーズにとっては評価が分かれるオフとなった。犬飼智也、遠藤康、永木亮太、レオ・シルバといった実績のある選手がチームを去り、レネ・ヴァイラー監督が就任した。3シーズン連続でタイトルを逃しているJリーグの盟主が過渡期を迎えているのは明らかである。

 新戦力としては得点源として期待される鈴木優磨の復帰が大きい。中村亮太朗と樋口雄太は楽しみな存在で、永木らの穴を埋めるポテンシャルは秘めている。一方、町田浩樹と犬飼が抜けたセンターバック陣にはキム・ミンテが加わったが、若い関川郁万と埋められるだろうか。

 来日が遅れている新指揮官の志向するスタイルの浸透は成否を分けるファクターの1つ。歴史的にも強い時代の鹿島には鉄壁のディフェンスがあった。上位を争えるB評価としたが、失点を重ねるようだと早々に上位争いから離脱しかねない。

FC東京

FC東京

監督:アルベル・プッチ・オルドネダ(新任)
昨季順位:9位

 2019シーズンのJ1優勝へあと1歩のところまで迫り、翌シーズンのYBCルヴァンカップを制覇したFC東京は、昨季のシーズン終了を待つことなく長谷川健太監督と別れることとなった。今季から指揮を執るのはバルセロナの育成組織やアルビレックス新潟で実績を築いたアルベル・プッチ・オルドネダ。前監督も任期後半は攻撃的なエッセンスを加えていたとはいえ、志向するサッカーは180度変わると言っていいだろう。

 降格したベガルタ仙台で獅子奮迅の活躍を見せたヤクブ・スウォビィクの加入は心強い。ただ、渡辺剛のベルギー移籍は戦力的には大きなダウンになり、エンリケ・トレビザンと中盤もこなせる木本恭生が穴を埋めなければいけない。

 昨季の鳥栖で9得点をマークした山下敬大や、青森山田から加入した松木玖生らは、新潟時代の本間至恩のようにアルベル監督の下で大きく化ける可能性がある。ただ、大きな戦力アップとは言えず、新体制1年目は苦戦する可能性も。新指揮官のスタイルがどれだけ浸透するかが順位に影響しそうだ。

ガンバ大阪

GambaOsaka

監督:片野坂知宏(新任)
昨季順位:13位

 昨季はチーム内にクラスターが発生し、宮本恒靖監督が解任された。残留するのがやっとだったガンバ大阪は、片野坂知宏監督の下で新たなスタートを切ることになった。

 矢島慎也、井手口陽介が抜けた中盤がポイントになりそうだ。山本悠樹、チュ・セジョンに加え、ブラジル出身のダワン、湘南ベルマーレから期限付きで加入した齊藤未月といった面々が揃う。異なった特徴を持つ彼らを、新指揮官がどのように起用するかは注目だ。

 キム・ヨングォンが去った最終ラインには、福岡将太と韓国代表DFクォン・ギョンウォンが加入した。全体的に戦力がアップしたわけではないが、上位を狙えるだけの戦力は元々備えているはずなのでB評価とした。しかし、ボールを保持して主導権を握るカタノサッカーの浸透に苦戦するようだと、ボトムハーフに沈む危険性もある。

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