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Jリーグ 1年前

2023年J1全18クラブ総合評価ランキング。戦力分析&格付け!Jリーグ優勝と残留を争うのは?

シリーズ:Jリーグ総合評価ランキング text by 編集部 photo by Getty Images

アビスパ福岡


昨季順位:14位
総合評価:E

 昇格1年目の2021シーズンは接戦の中で勝ち点を拾って8位となったが、昨季は14位に沈んだ。長谷部茂利監督の下で迎えるJ1・3年目も継続路線を進む。

 センターラインは昨季と顔ぶれが変わらない。GK村上昌謙を最後尾に、最終ラインには宮大樹や奈良竜樹、ドウグラス・グローリらがしのぎを削る。前寛之と中村駿のコンビは盤石で、昨季チーム最多得点の山岸祐也も残留している。

 一方でサイドの人員にはやや不安を覚える。志知孝明が抜けた左サイドバックは亀川諒史が、ジョルディ・クルークスが抜けた右サイドには紺野和也が加入。前任者はどちらもアシスト源だっただけに、新戦力へ課されるハードルは高い。さらに、サイドハーフには金森健志や田中達也もいるが、選手層という点でもやや不安を感じる。

 選手層の薄いサイドとは対照的に、前線の競争は激しくなりそうだ。J2で2年連続13得点を挙げた佐藤凌我が東京ヴェルディから加入し、3得点に終わったルキアンも勝負の年で期待が高まる。昨季は10得点だった山岸に次ぐ得点源がなかったが、この中から結果を残す選手が出て来れば得点力不足は解消されるかもしれない。

 昨季の新型コロナウイルス感染拡大のようなアクシデントさえなければ、今季も武器の堅守は健在だろう。2021シーズンのように結果を出すことも十分に可能だが、得点力不足に悩まされるようだと、昨季のように残留争いに巻き込まれることになる。

京都サンガ

昨季順位:16位
総合評価:E

 昨季は終盤戦でなかなか勝ち点を重ねられず、入れ替え戦でギリギリ残留を決めた京都サンガ。ピーター・ウタカは序盤戦で得点を量産したが、後半戦では沈黙。クラブはウタカとの契約更新を見送り、Jリーグでの実績豊富なパトリックを迎えた。リーグワーストだった得点力不足をどう解決していくかがおのずと今季のポイントになるだろう。

 パトリックだけでなく、一美和成、木下康介といった大型FWが加わり、センターフォワードをめぐる争いは熾烈になりそうだ。松田天馬、豊川雄太らウイングに入る選手との相性や守備への貢献も求められる難しいポジションとなるだけに、曺貴裁監督の采配にも左右されるだろう。

 町田ゼルビアから加入した平戸太貴は昨季9得点10アシストという数字を残し、攻撃面で特徴を発揮できる。最終ラインには湘南ベルマーレ時代に曺監督の下でプレーした三竿雄斗が加わり、ロアッソ熊本で飛躍のシーズンを過ごしたイヨハ理ヘンリーが加入。J2から個人昇格を果たした3人への期待は大きい。

 GK上福元直人の移籍は痛手だが、ヴァルネル・ハーンを獲得した。1つの枠をめぐる若原智哉とマイケル・ウッドらとの競争は決してレベルが低くはない。

 パトリックを除く新加入選手はJ1での実績が少ないだけに、台所事情は苦しい。ただ、これまでのように選手個々がレベルアップしていけば、昨季以上の成績を残すことも十分に可能だ。

アルビレックス新潟

昨季順位:J2優勝
総合評価:E

 J2を制して6年ぶりのJ1に挑むアルビレックス新潟にとって、まずはJ1残留が現実的な目標となりそうだ。そのための補強戦略は明確。新加入選手が4人、退団選手が3人ということからもわかる通り、昨季の主力を残留させ、J2を席巻したアグレッシブかつ組織的なサッカーでJ1に挑む。

 両サイドバックをこなせる新井直人、2列目には太田修介が加わった。グスタボ・ネスカウとダニーロ・ゴメスという2人のブラジル人の新助っ人はまだ20代前半と若いが、これまで数々の優秀なブラジル人アタッカーを輩出してきた新潟であるだけに、期待は小さくない。

 昨年9月に右膝を痛めた高木善朗の不在は痛手だが、三戸舜介や小見洋太ら若いタレントも多い。一方でJ1初挑戦の選手が多いのは気がかりだが、昨季の京都がそうであったように、経験不足は決して大きなウィークポイントにはならないかもしれない。

 J1の舞台は決して簡単ではないはずだ。苦しいときにスタイルを貫き続けることができるかどうかは今季の新潟にとって重要なポイントだ。

横浜FC

昨季順位:J2・2位
総合評価:E

 21人の新加入選手を迎えて、横浜FCは2年ぶりのJ1に挑む。現実的な目標となるJ1残留は決して簡単なものではないが、降格枠が1つに減ったことは横浜FCにとって追い風となるだろう。

 メンバーは大幅に入れ替わったが、核となる選手は残留している。特に守護神スベンド・ブローダーセン、J2得点王でMVPに輝いた小川航基、チーム最多アシストの長谷川竜也が残留したのは大きい。

 チームとしての骨格は残しつつ、J1で経験のある三田啓貴、井上潮音、吉野恭平といった選手が加わり、小川慶治朗が復帰。左サイドバックの橋本健人やドリブラー坂本亘基は、J2では収まりきらない才能を見せていた有望株だ。彼らがレベルアップした姿をJ1で見せられれば、ライバルチームに対抗できるスカッドが完成する。

 高塩隼生、清水悠斗、ヴァンイヤーデン・ショーンの3選手がユースから昇格し、大卒ルーキーが3人、高卒ルーキーが1人。多くの若手が加入し、スカッドは大幅に若返った。戦力が噛み合ったときの期待は大きく、横一線の競争は個々のレベルアップにつながるはずだ。一方で戦力的には未知数の部分が大きく、昨季から大きく顔触れが変わったことでスタートダッシュには不安を残す。

【了】

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