フットボールチャンネル

Jリーグ 1年前

2023年J1全18クラブ総合評価ランキング。戦力分析&格付け!Jリーグ優勝と残留を争うのは?

シリーズ:Jリーグ総合評価ランキング text by 編集部 photo by Getty Images

ガンバ大阪

昨季順位:15位
総合評価:C



 J1で新監督を迎えたのはガンバ大阪を含めた2チーム。2年続けて残留争いに絡んでしまっただけに、ダニエル・ポヤトス監督の下で戦う今季は上位争いに食い込みたいところ。昨季のメンバーを見ても下位が定位置となるものではなく、新戦力も期待を抱かせる面々が並ぶ。

 谷晃生は湘南ベルマーレで過ごした3シーズンで東口順昭に挑むだけの実力をつけた。昌子源の退団は痛手だが、韓国代表DFクォン・ギョンウォンと三浦弦太がいるため大きな戦力ダウンにはならないだろう。江川湧清、半田陸、杉山直宏といった将来性のあるタレントがJ2から加わり、戦力の底上げを図る。

 イスラエル代表MFネタ・ラヴィはUEFAチャンピオンズリーグ、チュニジア代表FWイッサム・ジェバリは昨年のワールドカップにも出場した実力十分な新外国人。昨季怪我でリーグ戦2試合の出場に終わった山本理仁も稼働できれば、パトリックや齊藤未月の抜けた穴は十分に埋まるだろう。

 上位争いに絡むことも十分に可能なスカッドだが、新監督を招へいしたことと、Jリーグ初挑戦の新外国人2人がカギを握ることもあって、やや控えめな評価となった。ただ、チームの歯車がかみ合えば、昨季のサンフレッチェ広島のように1年目から結果を出すことも十分に可能だ。

名古屋グランパス

昨季順位:8位
総合評価:C

 長谷川健太監督の下で臨む2度目のシーズンに向けたスカッドの整備は整った。リーグ最少タイの失点数を記録した守備のベースは変わらず、各ポジションに新戦力を加えた。長谷川監督はこれまで率いた3クラブで、2年目に結果を出している。スタイルが浸透する今季が名古屋にとっても大きなチャンスになるだろう。

 経験豊富で3バックにも慣れている野上結貴の加入は心強い。米本拓司が復帰し、山田陸がヴァンフォーレ甲府から加わったことで、中盤の構成力もアップしている。稲垣祥への負担も減り、和泉竜司の加入により攻撃的なポジションの競争も激しくなるだろう。

 そして、最大の目玉はキャスパー・ユンカーの加入だ。昨季はチーム最多得点がマテウス・カストロの8得点と寂しい結果に終わったが、ユンカーの加入によりマテウスと永井謙佑の特徴もより引き出されるだろう。スピードに長けた彼らのファストブレイクは、Jリーグ屈指の破壊力となるだろう。

 唯一の不安は、相馬勇紀が抜けた両サイドだろうか。吉田豊や宮原和也が抜けたこともあり、上位を争うであろうクラブと比較するとやや物足りない陣容に。このあたりをどうカバーするのかが躍進のカギになりそうだ。

浦和レッズ

昨季順位:9位
総合評価:C

 9位で終わった昨季限りでリカルド・ロドリゲス監督と袂を分かち、浦和レッズはマチェイ・スコルジャ監督を招へいした。そのせいもあってかオフの動きは遅く、年が明けてからキャスパー・ユンカーの期限付き移籍やマリウス・ホイブラーテンの加入が発表された。キャンプに参加していなかった岩波拓也は海外移籍が実現せずにチームに合流し、1月30日には松尾佑介のベルギー移籍が決まった。この動きが序盤戦にどう影響するかは分からない。

 攻撃陣を見ると、ユンカーと江坂任が抜けて興梠慎三が戻り、髙橋利樹が加わった。松尾の抜けた穴は小さくないが、ダヴィド・モーベルク、アレックス・シャルク、ブライアン・リンセンら実績のある外国人も含めて枚数は揃っている。あとは新指揮官がどう戦力を融合していくかがカギとなりそうだ。

 岩尾憲が今季から完全移籍となり、中盤は昨季と同じ顔ぶれが並ぶ。最終ラインにはホイブラーテンと京都サンガから復帰した荻原拓也が加わり、より激しい競争が繰り広げられることになりそうだ。荻原の復帰により明本考浩をより攻撃的なポジションで使うこともでき、起用の幅は広がりそうだ。

 スコルジャ新監督は攻撃的なスタイルの構築を目指す。母国リーグを4度制したポーランド人指揮官が、ハイプレスとポゼッションを基調としてゲームを支配するサッカーを浸透させることができれば、優勝争いにも十分に食い込める地力は持っているはずだ。

ヴィッセル神戸

昨季順位:13位
総合評価:C

 昨シーズンは前半戦のほとんどを降格圏で過ごしたが、吉田孝行監督の下でチームは立ち直り、最終的には2試合を残して残留を決めた。吉田監督の下で新シーズンも戦うこととなるが、その顔触れはかなり変わった。

 昨季DFとして最も多くの試合に先発した小林友希がセルティックに移籍した。槙野智章が引退、飯倉大樹が退団したことで、守備陣の選手層にはやや不安を抱える。京都サンガから加わった本多勇喜や若手の台頭に期待することとなる。

 守備陣とは対照的に中盤の層は厚い。齊藤未月と井出遥也が加わり、セルジ・サンペールが怪我から復帰すればハイレベルな人選が可能となる。大卒ルーキー泉柊椰やポルトガルでプレーしていた川﨑修平、セレッソ大阪から加入したジェアン・パトリッキなどが加わり、ウイングの競争も激しくなるはずだ。

 大迫勇也や武藤嘉紀も、コンディションさえ万全ならば、Jリーグトップレベルの結果を残すことは昨季も証明している。酒井高徳や山口蛍といった替えの利かない選手もおり、最終ラインにはやや不安を抱えるが、主力に大きなアクシデントがない限りは上位を狙える戦力と言えるだろう。

1 2 3 4 5

KANZENからのお知らせ

scroll top