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Jリーグ 1年前

2023年J1全18クラブ総合評価ランキング。戦力分析&格付け!Jリーグ優勝と残留を争うのは?

シリーズ:Jリーグ総合評価ランキング text by 編集部 photo by Getty Images

サガン鳥栖


昨季順位:11位
総合評価:D

 昨季と同じく大きくメンバーが入れ替わった川井健太監督の下で挑む2年目のシーズンだが、個の力に依存しない組織的なサッカーにかかる期待は大きい。一方で、昨季は終盤に勝ち星を積み上げられず、最終的にはボトムハーフでシーズンを終えた。対策が進む今季に向け、新戦力の活躍は言わずもがな重要となる。

 守備陣ではジエゴの退団は痛手だ。中野伸哉、ファン・ソッコ、田代雅也ら枚数こそ揃っているが、質の低下は否めない。愛媛FC時代に川井監督の下でプレーした山﨑浩介はJ1初挑戦となるだけに、この男の活躍が与える影響は大きい。

 小泉慶が抜けた中盤には、ロアッソ熊本から河原創が加わった。熊本の攻撃的なサッカーを中盤の底で支えた男がJ1でどれくらい通用するのかがポイント。横浜F・マリノスから期限付き移籍で加わった樺山諒乃介もブレイクが期待されるタレントだ。

 最も大きな変化が生まれたのは前線だ。保有元に復帰した垣田裕暉と宮代大聖が昨季挙げた得点数は計15。富樫敬真や松本山雅から加入した横山歩夢はJ1での実績で不安を覗かせるが、鳥栖で化ける可能性も感じさせる。この2人が垣田と宮代以上の結果を残せなければ、今季は苦しい戦いを強いられるかもしれない。

 例年同様ではあるが、J1での実績が少ない若手の台頭こそが鳥栖の補強だ。過去に巣立っていった多くの選手と同じように成長すれば、評価以上の成績を残すこともできるだろう。

湘南ベルマーレ

昨季順位:12位
総合評価:D

 昨季は序盤戦でつまずいて残留争いを強いられたが、終盤戦は調子を上げた。川崎フロンターレに2戦2勝するなど、手応えのある試合も多く、昨季のスタイルを踏襲すべく補強を行った印象が強い。

 3シーズンに渡って湘南ベルマーレのゴールマウスを守った谷晃生がガンバ大阪に復帰し、韓国代表としてワールドカップにも参加したソン・ボムグンが加わった。身長194cmの大型GKはビルドアップ能力などにも長けた現代型GKで、湘南の目指すスタイルにマッチするはずだ。最終ラインの顔触れは昨季と変わらず、特長でもある堅守は今季も武器になるだろう。

 小野瀬康介は右サイドだけではなく、中盤でも起用される可能性があり、中盤の競争は熾烈を極めるはずだ。昨夏にベルギーへ渡った田中聡、冬に名古屋グランパスに復帰した米本拓司が務めていたアンカーは手薄なポジションだが、昨季終盤に起用された茨田陽生、怪我に苦しんだミケル・アグ、永木亮太ら候補者は多い。

 昨季の最大の課題は得点力不足だった。瀬川祐輔が川崎に移籍したが、山下敬大がFC東京から期限付き移籍で加入した。決定力不足が垣間見えた瀬川から、得点力を武器とする山下へ変わったことは得点力という面で見るとプラスに作用するかもしれない。言わずもがな、町野修斗の残留は湘南にとって大きい。

 昨季は5位以内という目標が早々に非現実的なものとなったが、昨季終盤の戦いを継続できれば決して不可能な数字ではないはずだ。

北海道コンサドーレ札幌

昨季順位:10位
総合評価:D

 ミハイロ・ペトロヴィッチ監督体制は6年目を迎えた。4位に食い込んだ初年度を除けば、北海道コンサドーレ札幌は中位に留まり続けている。今季は高嶺朋樹とガブリエル・シャビエルが抜けた穴をどう埋めて、上積みを作っていくかがポイントになりそうだ。

 最終ラインにはU-22日本代表の馬場晴也、中盤にはヴィッセル神戸から小林祐希を獲得したことで、両ポジションを兼務していた高嶺の穴を埋めた。19年までの5年間で守護神を務めたク・ソンユンの復帰は、危機管理という意味でも、ポジション争いの激化という意味でもプラスに働くはずだ。

 興梠慎三とシャビエルが抜けた攻撃陣の再編は課題だ。サンフレッチェ広島から浅野雄也、順天堂大学から大森真吾が加入したが、実績面だけで見ると心許ない。昨季は怪我に苦しんだ小柏剛や2年目のキム・ゴンヒらが活躍できなければ、苦しい台所事情になる可能性もある。

 長期離脱からの復帰を目指す深井一希や駒井善成も、長いシーズンを見れば間違いなく必要なピースとなる。的確かつ手堅い補強という印象を受けるが、昨季から大幅にパワーアップしたかと言われれば疑問符が付く。目標に到達するには、主力の活躍と若手の成長が必須となる。

柏レイソル

昨季順位:7位
総合評価:D

 昨季は開幕前の下馬評を覆して一時は2位に躍り出たが、終盤戦の失点増が響いて7位に終わった柏レイソル。オフの動きは早く、12月上旬までに12人の新加入選手が発表された。今月2日にはオランダ出身のFWフロート獲得を発表し、開幕に向けて戦力を整えた。

 193cmの長身で、プレミアリーグの経験もあるフロートの加入により、負傷で出遅れるドウグラスの穴は埋まり、前線のバリエーションは増えた。中盤にも山田康太と高嶺朋樹、仙頭啓矢が加わったことで、柔軟な起用やシステム変更が可能となった。

 不安が残るのは3バックと両ウイングバックの5人の人選だ。大南拓磨、高橋祐治、上島拓巳が抜けた穴を埋めるのは簡単ではない。サガン鳥栖からジエゴ、清水エスパルスから立田悠悟と片山瑛一が加わったことで枚数は揃っているが、再編を余儀なくされたことが序盤戦にどう影響するか。J1での経験も豊富な面々だけに、大きな障壁にはならない可能性もあるが、蓋を開けてみなければわからない。

 3バック候補はカバーリング能力やビルドアップ能力の高さに長けているが、昨季の課題だったディフェンス面でどういったパフォーマンスを見せるのか。失点の部分はDFだけの問題ではないが、そのあたりの整備が今季のカギになる可能性は高い。

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