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Jリーグ 11か月前

【クラブ別通信簿】J1リーグ前半戦評価ランキング1~18位。期待との差が開いたのは?

シリーズ:編集部フォーカス text by 編集部 photo by Getty Images

北海道コンサドーレ札幌


【写真:Getty Images】

前半戦評価:B
監督:ミハイロ・ペトロヴィッチ
前半戦成績:8位(勝ち点26/7勝5分5敗)

 直近4シーズンは10~12位と中位にとどまっていた北海道コンサドーレ札幌だが、今季は上位を狙えるポテンシャルを感じさせる。序盤戦は大味な試合も多かったが、徐々に攻守がかみ合ってきた。特に攻撃陣の迫力はすさまじく、38得点はリーグトップとなっている。

 菅大輝と金子拓郎の両ウイングバックはチームMVP級の活躍で、攻撃的なスタイルの肝になっている。怪我が続いていた小柏剛も復帰後は1トップにフィットし、シャドーに定着した浅野雄也は前半戦だけで8得点をマーク。主力に定着している顔ぶれのパフォーマンスは軒並み高い評価を与えられるだろう。

 課題は失点数の多さ。守備陣のパフォーマンスが悪いわけではなく、菅野孝憲や岡村大八を中心とした守備陣は奮闘している。ただ、リスクの高いチーム戦術ゆえ、リーグで3番目に多い32失点を記録する。このあたりが夏場の戦いにどう影響するのかは、シーズン終了時の順位に関わってくるだろう。

鹿島アントラーズ


【写真:Getty Images】

前半戦評価:B
監督:岩政大樹
前半戦成績:7位(勝ち点28/17試合8勝4分5敗)

 プレシーズンの成績を思えば、開幕スタートは悪くないように見えたが、第5節の横浜F・マリノス戦から4連敗と歯車が狂った。しかし、2トップへの変更で調子を取り戻した鹿島アントラーズは5連勝で浮上し、7位でシーズンを折り返している。

 23得点は上位陣に比べると劣るが、ロースコアの展開でしぶとく勝利を積み重ねている。植田直通を中心としたディフェンスラインは集中力を切らさず、ディエゴ・ピトゥカらが並ぶ中盤は献身性と創造力を兼ね備える。鈴木優磨のクオリティは疑いの余地がなく、ここぞの場面で勝利を手繰り寄せるゴールを決める。知念の負傷離脱は痛手だが、垣田裕暉が頼もしい働きを見せており、得点力が向上すれば恐い存在になるだろう。

 4連敗がなければ間違いなく最高評価だったが、後半戦に向けて視界は悪くない。大崩れしない守備陣は往年の黄金期と大差はない。昨季前半戦の上田綺世のようなゴールゲッターが生まれれば、上位陣を追従するダークホースになるだろう。

サンフレッチェ広島


【写真:Getty Images】

前半戦評価:B
監督:ミヒャエル・スキッベ
前半戦成績:5位(勝ち点29/9勝2分6敗)

 ポジティブな面はいくつもあるが、課題がなかったわけではない。一時は2位まで順位を上げた時期もあったが、満田誠が抜けた穴は大きかった。前半戦最後は尻すぼみとなり、前半戦を5位で終えている。

 昨季同様、今季もミヒャエル・スキッベ監督の下で若手が台頭している。残念ながら辞退となってしまったが、川村拓夢は日本代表初選出を果たし、昇格1年目の道越草太、怪我から復活した東俊希、塩谷司の穴を埋める住吉ジェラニレショーンなどが持ち味を発揮している。昨季に比べれば選手層は格段にアップしているだろう。

 課題は得点力の部分だ。エゼキエウとドウグラス・ヴィエイラを後半途中から投入して攻勢を強めるパターンは強力だが、満田を失った影響も大きい。満田の負傷後は2勝4敗で、わずか6得点。そのうち京都サンガ戦で3得点を記録しており、ヴィッセル神戸戦と川崎フロンターレ戦は無得点だった。満田不在の影響をどうカバーするか、解決策が見つからないまま後半戦に突入することとなっている。

セレッソ大阪


【写真:Getty Images】

前半戦評価:B
監督:小菊昭雄
前半戦成績:6位(勝ち点29/9勝2分6敗)

 昨季は5位と躍進し、YBCルヴァンカップでも決勝に進んだセレッソ大阪だったが、今季は序盤につまずいた。開幕から3試合は勝利がなく、下位に沈む危険もあったが、香川真司が復帰後初先発となった第4節以降は勝ち点を伸ばしている。

 香川はあらゆるエリアに顔を出してパスをさばき、ボールポゼッションに安定感を生み出すだけでなく、守備の局面でも的確なポジショニングで味方と連動して貢献している。コンディションもよく、34歳となった今もその技術や戦術眼は十分にJリーグで輝きを放っている。香川が基準となったことで、チームとしての機能性も格段に向上した。

 戦い方の幅は昨季に比べて広がっているように見える。序盤戦では失点がかさんだが、昨季のような守備の安定感も戻ってきている。試合終盤の失点も減っており、ヴィッセル神戸戦では試合終了間際に途中出場の北野颯太が決勝点を奪った。順位は昨季とほぼ変わらないが、進歩が見える前半戦だった。

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