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Jリーグ 11か月前

【クラブ別通信簿】J1リーグ前半戦評価ランキング1~18位。期待との差が開いたのは?

シリーズ:編集部フォーカス text by 編集部 photo by Getty Images

名古屋グランパス


【写真:Getty Images】

前半戦評価:A
監督:長谷川健太
前半戦成績:2位(勝ち点35/10勝5分2敗)

 昨季はわずか30得点だったが、今季はすでに25得点を記録。失点数もリーグで3番目に少ない14で、35だった昨季に比べると1試合平均の失点数は減少している。長谷川健太監督の下で迎えた2年目のシーズンは、ここまで順調に来ていると言っていいだろう。

 昨季からの大きな変化は2つ。期限付き移籍から復帰した米本拓司が稲垣祥とともに中盤の門番となり、攻守に存在感を放つ。そして、キャスパー・ユンカーというフィニッシャーが加わったことで、マテウス・カストロと永井謙佑の役割も整理され、3人の強みを活かしあう関係性が生まれている。さらに、日本代表にも選出された森下龍矢や藤井陽也の活躍も目覚ましい。

 唯一ともいえる課題は選手層の薄さだが、前半戦では大きな問題にはならなかった。ある意味で主力選手が若手に活躍する機会を与えなかった側面もある。ただ、左膝内側側副靱帯を損傷した丸山祐市、左太ももの肉離れと診断された酒井宣福の離脱は、後半戦に響くかもしれない。

浦和レッズ


【写真:Getty Images】

前半戦評価:A
監督:マチェイ・スコルジャ
前半戦成績:4位(勝ち点29/8勝5分3敗)

 今季から指揮を執るマチェイ・スコルジャ監督はAFCチャンピオンズリーグ(ACL)を制して初タイトルを獲得している。リーグ戦では開幕連敗と不安な出だしだったが、ACL決勝に向けて調子を上げた。自慢の堅守でロースコアに持ち込むパターンで、6戦無敗で前半戦を締めくくっている。

 マリウス・ホイブラーテンが加わった守備陣はJリーグ最強で、12失点はリーグ最少。西川周作が素晴らしいパフォーマンスを見せ、ホイブラーテンとアレクサンダー・ショルツは抜群の守備力を見せる。日本代表デビューを果たした伊藤敦樹、両サイドで推進力を見せる明本考浩、トップ下とボランチの二刀流で輝く安居海渡などがスコルジャ監督のスタイルにうまく適応している。

 課題は得点力の部分。興梠慎三のクオリティはさび付いていないが、大きな負担はかけられない。外国人枠が制限されるACL決勝を見据えた序盤戦の選手起用もあってか、攻撃陣の外国籍選手は軒並み低調なパフォーマンスに終始。5引き分けは上位9チームで最多タイとなっており、4試合あったスコアレスドローをどうにかできていれば、もっと上の順位で前半戦を終えられていたかもしれない。

横浜F・マリノス


【写真:Getty Images】

前半戦評価:A
監督:ケヴィン・マスカット
前半戦成績:1位(勝ち点36/11勝3分3敗)

 昨季に比べると圧倒的する試合こそ少ないが、勝利を手繰り寄せる試合巧者ぶりが光る試合は多い。我慢強くパスをつないで相手を消耗させ、勝負どころを見逃さない。選手の入れ替わりはあったが、スタイルは変わらず。昨季同様に首位で前半戦を折り返している。

 昨季のMVP岩田智輝の移籍は痛手だが、畠中槙之輔がトップフォームを取り戻し、負傷者が続出した右サイドバックも本職ではない山根陸や上島拓巳が穴を埋めるなど、チーム力の高さが光る。ヤン・マテウスも得意の右サイドで印象的な活躍を見せて水沼宏太からポジションを奪うなど、高いレベルでの競争も起きている。宮市亮の復帰はチームに勢いを与える意味でも重要なニュースだった。

 日本代表にも選出された小池龍太と角田涼太朗が長期離脱しているにもかかわらず、首位で前半を折り返せたことは大きい。目新しさこそないものの、前任者からうまく引き継いで勝ち続けるケヴィン・マスカット監督の手腕は素晴らしい。

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