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Jリーグ 11か月前

【クラブ別通信簿】J1リーグ前半戦評価ランキング1~18位。期待との差が開いたのは?

シリーズ:編集部フォーカス text by 編集部 photo by Getty Images

川崎フロンターレ


【写真:Getty Images】

前半戦評価:D
監督:鬼木達
前半戦成績:9位(勝ち点24/7勝3分6敗)

 2017年から指揮を執る鬼木達監督の下、川崎フロンターレは6年間で4度のリーグ制覇を達成している。優勝を逃した2シーズンはいずれも4位以内だったが、今季は中位に沈む。育成と結果の両立を求められる難しいシーズンとなっている。

 開幕から9試合で2勝しかできず、そこにかつての強さの面影はなかった。谷口彰悟が抜け、ジェジエウも負傷離脱。核の抜けた最終ラインは脆弱で、前線もレアンドロ・ダミアンの不調に加えてマルシーニョが度重なるハムストリングの負傷で離脱するなど、苦しい台所事情が続いた。

 それでも、第10節以降は5勝2敗と復調傾向にある。ジョアン・シミッチのアンカー起用がはまり、瀬古樹が中盤のポジション争いを激しくしている。2つのゴールがともに勝利につながった小林悠の負傷離脱は痛手だが、最終ラインでは高井幸大がブレイクの兆しを見せる。試行錯誤は今後も続くだろうが、後半戦に向けて現有戦力の中での最適解は徐々に見えつつある。どん底付近まで落ちた序盤戦から、やや希望が差し込み始めた中盤戦を経て、川崎はどのように浮上していくのだろうか。

13位:京都サンガF.C.


【写真:Getty Images】

前半戦評価:D
監督:曺貴裁
前半戦成績:14位(勝ち点16/5勝1分11敗)

 昨季、ロアッソ熊本とのJ1参入プレーオフ決定戦(入れ替え戦)で引き分け、ぎりぎりのところでJ1残留を決めた京都サンガだが、今季も厳しい状況に変わりはない。昨季は勝ち点20でシーズンを折り返したが、今季はそれより4ポイント少ない勝ち点16で前半戦を終えている。

 ピーター・ウタカ頼みだった昨季とは異なり、今季はパトリック、豊川雄太、木下康介を中心にゴールが分散されている。武田将平を怪我で欠く中盤は松田天馬や平戸太貴が穴を埋める。今季からキャプテンを務める川﨑颯太は、日本代表に初選出。J1での2年目のシーズンは昨季以上に責任を背負い、頼もしさを感じさせる。

 スタイルを貫くが故に勝ち点を落としている節もある。湘南ベルマーレ戦や直近のアルビレックス新潟戦のように、力の差があまりない相手に対しては相性がいい。しかし、横浜F・マリノスに真っ向勝負を挑んで0-4で敗れ、ヴィッセル神戸戦も0-3の完敗。高い守備強度とゴールへ向かう迫力は京都サンガの武器だが、それを逆手に取られる形でやられる場面も多い。昨季からの積み上げがないわけではないが、上位陣との総合的な差はまだまだ大きい。

FC東京


【写真:Getty Images】

前半戦評価:D
監督:アルベル→ピーター・クラモフスキー
前半戦成績:12位(勝ち点19/5勝4分8敗)

 昨季から指揮を執るアルベル監督の下で迎えた今季は、結果が求められるシーズンだった。1年目の昨季は6位とまずまずといえる結果を残し、試合の主導権を握るスタイルは徐々に浸透していると思われた。しかし、今季はなかなか勝つことができていない。連勝は1回のみで、3連敗でシーズンを折り返すことに。業を煮やしたクラブはアルベルを解任している。

 FC東京が、というよりアルベル監督が目指すサッカーをしているときの方が相手は与しやすかった。本当の意味で戦術的な落とし込みはできなかった。むしろ、連動した守備から素早くゴールに迫る形ができている時の方が、チームとしては躍動感が出ていたようにも見える。

 中村帆高の長期離脱、日本代表にも選出されたバングーナガンデ佳史扶の不調、シーズン途中に契約解除となったレアンドロ、リーグ戦わずか1得点のアダイウトンなど、想定外だったことも多い。一方で、俵積田晃太や佐藤龍之介といった10代の抜擢は、アルベル前監督の置き土産といえるだろう。

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