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Jリーグ 11か月前

【クラブ別通信簿】J1リーグ前半戦評価ランキング1~18位。期待との差が開いたのは?

シリーズ:編集部フォーカス text by 編集部 photo by Getty Images

横浜FC


【写真:Getty Images】

前半戦評価:E
監督:四方田修平
前半戦成績:16位(勝ち点13/3勝4分10敗)

 大きな志を持ってJ1に挑戦した今季、横浜FCは苦しい戦いを強いられている。1勝しかできずに勝ち点7で前半戦を終えた一昨季よりは健闘しているものの、16位でシーズンを折り返した。

 かつて横浜F・マリノスでアンジェ・ポステコグルー監督をヘッドコーチとして支えたジョン・ハッチンソンをコーチとして迎え入れた。昨季の躍進を支えた3バックから4バックへ変更して開幕を迎え、ボールを保持して主導権を握るスタイルを浸透させようとしたが、結果がついてこなかった。

 開幕から10試合勝利がなく、27失点と守備の課題が急務だった横浜FCは、第11節のアルビレックス新潟戦に3バックで臨んでいる。この試合を1-0でしぶとく勝ち切った横浜FCは、柏レイソルと川崎フロンターレからも1点差で勝利。初勝利からの前半戦ラスト7試合は計8失点とディフェンス面は改善の兆しを見せている。

 シーズン当初に目指していた形は志半ばで軌道修正することとなったが、守備から整備したことで横浜FCは大切なものを思い出したかのように目指す方向が定まった。変更当初は専守防衛だったが、徐々に攻撃面での改善も見られる。低評価ではあるが、後半戦の浮上に期待が持てるのも確かだ。

湘南ベルマーレ


【写真:Getty Images】

前半戦評価:E
監督:山口智
前半戦成績:17位(勝ち点13/2勝6分8敗)

 昨年は開幕からつまずいたものの、後半戦は持ち直して残留することができた。昨季は早々に諦めることになった「5位以内」という目標に再度挑戦した今季も、難しいシーズンを送ることになっている。

 出だしは悪くなかった。サガン鳥栖との開幕節では、大橋祐紀のハットトリックを含む5得点で大勝し、第3節には川崎フロンターレに勝利目前まで迫った。昨季はウィークポイントだった攻撃陣は武器となり、リーグ5位タイの23得点をマーク。8得点の町野修斗以外にも、大橋、小野瀬康介、平岡大陽などが得点を挙げている。

 しかし、ここまで16試合でクリーンシート(無失点)がなく、引き分けはリーグ最多タイの6試合。4月1日のガンバ大阪戦以来、10試合勝利から遠ざかっている。横浜F・マリノスや名古屋グランパスといった上位陣を苦しめる時間帯を作れている一方、90分の中でエアポケットのような時間が必ず生まれる。そういった隙をつかれるのが毎試合恒例となりつつある。

 強度の高いプレスと縦に早い攻撃に加え、小野瀬や町野を中心とした右サイドのコンビネーションなど、攻撃的なスタイルは魅力でもある。ただ、最終ラインからのビルドアップはいまだに問題を抱えており、足が止まる試合終盤に失点を重ねるという課題は未解決のまま。成長に伴う歪みのような問題が露呈した前半戦となった。

ガンバ大阪


【写真:Getty Images】

前半戦評価:E
監督:ダニエル・ポヤトス
前半戦成績:15位(勝ち点16/4勝4分9敗)

 成績だけを見れば、片野坂知宏元監督の下で低迷した昨季と同じ。ダニエル・ポヤトス監督を招へいした今季は勝ち点16で前半戦を終えている。昨季の17試合消化時点の勝ち点が17だったので、残留争いという点で見ると昨季とあまり変わらない。

 ただ、ポヤトス監督のスタイルは徐々に浸透しているのも事実。下位に低迷しているのは、開幕節に象徴されるように、大事なところで失点してしまう90分全体のゲームマネジメントの問題も理由の1つだ。ただ、最近の試合を見る限り、それも改善していると見ていい。アルビレックス新潟戦やFC東京戦で見せた守備意識の高さは、ポヤトス監督が求める攻撃的なスタイルの基盤になるはずだ。

 宇佐美貴史や三浦弦太、鈴木武蔵ら実績のある選手の低調は誤算だった。新戦力のネタ・ラヴィや半田陸が開幕から欠かせない存在となっており、ここ最近は福岡将太が最終ラインで頼もしい存在へと成長している。全体としては低評価となるが、最後に希望の光が差し込んだ前半戦と言える。

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