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Jリーグ 3年前

江坂任が浦和レッズにもたらすものとは? FWで見せた賢さ、「うまくできたんじゃないか」と語るのは…【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

有言実行の男・江坂任



「ボール運ぶ段階で各ポジション、いいところを取っていたので、うまくボールが回ってましたし、その中で関根選手がいい状態で前を向けた。自分も相手の背後からいいランニングができて、いいゴールだったんじゃないかなと思います」

 8月に浦和デビューした江坂にとって、これがJ1では2点目となった。1カ月半でルヴァンカップ含めて公式戦3点目というのはまずまずのペース。「得点とアシストを求められてここに来た」と本人も言い切るように、柏レイソル時代よりもフィニッシュへの意識を強く押し出しながら戦っている。この日も最前線に陣取ったように、浦和加入後はゴール前でプレーする機会が増えている。それも本人にとっては追い風と言っていい。

 江坂がそこまで得点に強くこだわるのは、雑草魂で這い上がったキャリアによるところも大きいだろう。彼はプロになるため奨学金を借りて流通経済大学に進み、3年の総理大臣杯と4年のインカレ(全日本大学サッカー選手権大会)で得点王に輝いた。が、J1からのオファーは皆無。結局、J2のザスパクサツ群馬に進んだが、「1年で個人昇格するんだ」と固く決意した。そしてルーキーイヤーの2015年に13得点。翌年には当時J1だった大宮アルディージャへ赴くという有言実行をしてみせた。

 その後もゴールとアシストという明確な数字を残すことで柏、浦和というより高い舞台を勝ち取ってきた。とりわけ、今夏の浦和入りは、西野努テクニカルダイレクターが「本来であれば取れるはずがない選手。素早く情報をキャッチしてアクションを起こした結果、ウチに来てもらえることになった」と語ったほど、三顧の礼をもって迎えられたのだ。

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