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Jリーグ 2か月前

一瞬の以心伝心。1人少ない横浜F・マリノスはなぜ勝てたのか?山根陸の脳裏にあった狙い「さらに役割は鮮明」【ACLコラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

「昨シーズンよりも…」活かされた新たな経験

横浜F・マリノスMF山根陸
【写真:Getty Images】



「チャンスになればとスペースを探していたし、そのなかで健くんから亮くんに縦パスが通った時点で、相手の選手たちがボールウォッチャーになるのはわかっていた。なので、背後から走っていけば何かが起きると思っていたし、そこへ亮くんが相手のセンターバックを釣り出してくれただけでなく、本当にいいパスを出してくれた。ただ、すべては素晴らしいゴールを決めたロペスのおかげですけど」

 ボランチの位置から相手ゴール前まで長い距離を駆け上がった得点シーンでは、キューウェル監督のもとで今シーズンから挑戦している新境地、インサイドハーフでの経験も奏功している。

「昨シーズンよりもボックス・トゥ・ボックスでプレーしているなかで、相手ゴールに向かう、という役割はさらに鮮明になっていると思っています。特にあの場面では、自分たちが11人であれ何人であれ、あそこに走っていって、相手のポケットを取る動きというのはすごく大事なので。そこで相手がボールウォッチャーになり、あるいはついて来なかったのが、得点に繋がるあのプレーになったと思います」

 ACLが現行システムになった2002シーズン以降で、Jクラブ勢では浦和レッズが3度、ガンバ大阪と鹿島アントラーズが1度ずつ頂点に立っている。対照的に昨シーズンまでのマリノスは2020、2022大会のベスト16が最高位であり、何よりもACLへの出場そのものも今大会が6度目となる。

「自分がアカデミーのときは、ACLに毎年出る状況ではなかった。それでも難しい試合が多いイメージがあった大会だったし、トップチームに上がってからは毎年のように出るのが当たり前、というプレッシャーもあるなかで勝利を追い求めていくのは、選手としてすごく大きいと思っています」

 自らを通したACLの位置づけをこう振り返った山根は、グループリーグ突破後のラウンド16でバンコク・ユナイテッド(タイ)を2戦合計3-2で、準々決勝では山東泰山を同じく3-1で撃破し、そのたびにACLにおけるクラブの最高位を塗り替えている今大会の快進撃を素直に喜んでいる。

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