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Jリーグ 9か月前

ヴィッセル神戸の強さの秘密に迫る。大迫勇也、武藤嘉紀が不在でも首位。明確な役割分担が成功をもたらす【戦術分析コラム】

シリーズ:戦術分析コラム text by らいかーると photo by Getty Images

ヴィッセル神戸が守備のバランスを保ち続ける秘訣

 神戸に話を戻しましょう。

 相手の3バックに対して、数を合わせることはあまりありません。あくまで【4-4-2】のまま対応します。そのときの注意点は、あくまで配置が噛み合わないことをチーム全体として理解できていることです。配置がかみ合わないときは、デンベレのように誰かが余計に走る必要があります。

 その過負荷を神戸の前線の選手たちはあっさりと受け入れます。つまり、ここで自分が二度追いをしないと他の選手が困難な状況になることを理解しているので、デンベレのように迷わずに走ります。

 ハードワークと聞けば、ボール保持者への絶え間ないプレッシングを連想するかもしれません。確かに神戸はボールサイドへの圧縮が成功したときは、ボール保持者への強烈なプレッシングを行い続けます。しかし、後方の選手の準備が整っていない、複数の守備の基準点を自分が抱えているときにボール保持者にプレッシングをかけてしまうと、相手の前進のスイッチを押させることに繋がってしまいます。つまり、プレッシング失敗です。

 このような状況のときに神戸の面々はむやみにプレッシングをかけることはありません。自分の背中で相手のどのポジションの選手を消しているか、ボールをうけるためにサポートしている相手の選手に対して、味方がついてきているかを必ず確認します。

 準備が整っていないときは撤退守備に切り替えてあっさりとプレッシングをやめてしまう割り切りが神戸の守備のバランスを保ち続けることの秘訣です。頑張って相手を追いかけ回すか、相手を追いかけ回さずにポジションを整えるかの判断が揃っていることが神戸の守備を支えています。

 この2つのポイントについて他の【4-4-2】を志向しているチームがどのように振る舞っているかを比較すると、様々な差が見えてくるかもしれません。

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