フットボールチャンネル

藤江直人

家長昭博、笑顔輝く完全復活。苦しみ抜いた末の祝福、フロンターレ進撃のエンジンに

川崎フロンターレのMF家長昭博(31)が、待望の移籍後初ゴールを挙げた。ホームの等々力陸上競技場に首位・鹿島アントラーズを迎えた、13日のJ1第22節の後半27分にあえてスピードを殺した、芸術的な一撃をゴール左隅へ流し込んだ。大宮アルディージャから加入して約7ヶ月。開幕直後に負ったけがもあって、思うような結果を残せなかったレフティーがようやく輝かせた笑顔が、王者を3‐1で撃破し、勝ち点4差に肉迫したフロンターレをさらに加速させていく。(取材・文:藤江直人)

浦和・関根貴大、「レッズのプライドをもって」新天地ドイツへ。万感の思いが緩めた涙腺

浦和レッズからブンデスリーガ2部のインゴルシュタットへ移籍するMF関根貴大(22)が10日、笑顔で新天地へ旅立った。前夜は敵地・山梨中銀スタジアムで行われた、ヴァンフォーレ甲府とのJ1第21節に先発出場。後半38分までプレーし、堀孝史監督体制におけるレッズの初勝利と15試合ぶりとなる完封劇を見届けた。正式なオファーが届いてから10日あまり。ジュニアユースからひと筋で育ったドリブラーの揺れた胸中と決断に至った経緯、ドイツでの決意、そして古巣への思いに迫った。(取材・文:藤江直人)

神戸・ポドルスキが与える別次元の緊張感。W杯優勝選手と対峙、J1守備陣への相乗効果

デビューから2試合連続ゴールを狙った、ヴィッセル神戸のFWルーカス・ポドルスキ(32)が不発に終わった。敵地・日立柏サッカー場に乗り込んだ5日のJ1第20節で放ったシュートわずか2本、いずれも枠外と精彩を欠き、ヴィッセルも1‐3の逆転負けを喫した。元ドイツ代表の「10番」がもつワールドクラスの左足は、対峙した柏レイソルの若きセンターバックコンビ、中谷進之介(21)と中山雄太(20)のモチベーションをも高め、心技体のすべてで成長を促す相乗効果を早くも生み出している。(取材・文:藤江直人)

大卒後シンガポールのMVP経てJ1デビュー。“逆輸入Jリーガー”、新潟・河田篤秀の軌跡

異色のオールドルーキーが、待望のJ1デビューを果たした。FC東京と対峙した7月30日のJ1第19節で、後半26分から敵地のピッチに立ったアルビレックス新潟のFW河田篤秀(24)。セレッソ大阪U‐18への昇格をあえて断り、阪南大学卒業後にはアルビレックス新潟シンガポールで2年間プレー。昨シーズンのシンガポールリーグMVPを引っさげ、いわゆる“逆輸入”の形で完全移籍したJリーガーの、波瀾万丈の軌跡とポジティブな思考に富んだサッカー人生を追った。(取材・文・藤江直人)

サガン鳥栖、右肩上がりのスポンサー収入。2つの分岐点、現社長就任とCygames社との契約

2016年度におけるJリーグの全53クラブの経営情報が出そろった。3月期決算の3クラブのそれが7月下旬に開示されたなかで、先行発表された5月下旬から顕著だった傾向がさらに鮮明になった。営業収益(売上高)のなかで入場料収入が微増となっている一方で、広告料収入が大きな伸びを示している。J1ではトップの伸び率となる前年度比35.6%増の16億3100万円を計上して、Jリーグ全体のけん引役にもなっているサガン鳥栖の舞台裏を追った。(取材・文:藤江直人)

神戸・ポドルスキ、J1デビュー戦で見せた異次元。W杯優勝戦士、勝利への貪欲な執念と献身

ヴィッセル神戸入りした元ドイツ代表で一時代を築いたストライカー、FWルーカス・ポドルスキ(前ガラタサライ)が鮮烈なJ1デビューを飾った。大宮アルディージャをホームのノエビアスタジアム神戸に迎えた、7月29日のJ1第19節で先制&決勝と挨拶代わりの2ゴールをゲット。日本サッカー界へ衝撃を与えた一方で、32歳のレジェンドが見せた勝利への貪欲なまでの執念と、文化も風習もすべてが異なる新天地・日本へ一刻も早く溶け込もうとする必死な思いを追った。(取材・文:藤江直人)

広島、約10年親しんだ“可変システム”との決別。J1残留に向け採用された4バック

独自の「可変システム」で黄金時代を築いたサンフレッチェ広島が、新たな一歩を踏み出した。J2降格圏に低迷する不振の責任を取り、今月3日に電撃退任した森保一前監督の後任として招聘されたヤン・ヨンソン新監督が、初陣となる26日のFC東京とのYBCルヴァンカップ・プレーオフステージ第2戦で「4‐2‐3‐1」を採用。試合は0‐1で苦杯をなめ、2試合合計で0‐2のスコアで敗退したが、過去の栄光を断ち切り、クラブ一丸となってJ1残留を含めた未来へ向かう姿勢を力強く示した。(取材・文:藤江直人)

ルヴァン杯、17年ぶりJ2クラブ参戦という一大改革。日程面の問題と競技上の公平性は?

Jリーグは25日に都内で開催した理事会で、J1の18クラブが参加しているYBCルヴァンカップに、来シーズンからJ2のクラブを最大2チーム参加させることを決めた。対象となるのは、前シーズンのJ1で16位及び17位となり、J2に降格した2チーム。前身のヤマザキナビスコカップ時代を含めて、J2のクラブが参戦するのは2001シーズン以来となる。大きな改革のメスを入れた意図に迫った。(取材・文:藤江直人)

C大阪・杉本健勇が迎えた覚醒の時。自身初の2桁ゴール。遠回りして、強くなったセレッソ愛

J1の首位を走るセレッソ大阪の大型ストライカー、杉本健勇が覚醒の時を迎えている。浦和レッズに快勝した22日のJ1第22節の開始6分に先制点、2分後に追加点を見舞う大活躍を披露。ゴール数も自身初の2桁に乗せて得点王争いに参戦した。日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督も注目する24歳のホープのサッカー人生を振り返ると、川崎フロンターレへ完全移籍した2年前と、今シーズンから指揮を執るユン・ジョンファン監督との出会いがターニングポイントになっていることがわかる。(取材・文:藤江直人)

柏を飛び出し、あえて選んだJ2での挑戦。湘南・秋野央樹が一気に加速させる成長速度

異色に映る挑戦が、大きな成果をあげつつある。加入4年目で柏レイソルの主軸を担うようになった昨シーズンのオフにあえて期限付き移籍を志願し、J2への降格が決まっていた湘南ベルマーレの一員になった天才肌の司令塔・秋野央樹。自らに足りない強さと激しさ、前へと攻める姿勢を「湘南スタイル」に求めた22歳のレフティーは、16日の東京ヴェルディとのJ2第23節で豪快なミドルシュートを一閃。待望の移籍後初ゴールを触媒にしながら、成長へのスピードを一気に加速させる。(取材・文:藤江直人)

浦和・関根貴大、海外挑戦という夢。ドルト戦でより鮮明に。いま追い求める3つの標的

浦和レッズが誇るリーグ屈指のドリブラー、MF関根貴大が抱き続ける海外挑戦の夢をより鮮明に膨らませた。ブンデスリーガの強豪ボルシア・ドルトムントと埼玉スタジアムで対峙した、15日のJリーグワールドチャレンジ2017で先発出場。左右の両ワイドから鋭い攻撃を仕掛けた22歳の若武者は、始動&来日直後のドルトムントが万全の状態ではないことを踏まえたうえで、それでも百戦錬磨の猛者たちに冷や汗をかかせた自身の武器をさらに磨いていく決意を新たにした。(取材・文:藤江直人)

恩師との出会いで変わった運命。清水・鎌田翔雅、プロ10年目・170試合目の初ゴール

ひとつの出会いが、選手の運命を大きく変えることもある。8日のガンバ大阪とのJ1第18節でプロ10年目、公式戦では実に170試合目にして待望の初ゴールを決めて、清水エスパルスの勝利に貢献した28歳の苦労人、DF鎌田翔雅のターニングポイントは10年前にまでさかのぼる。ガンバ戦後に祝福メッセージを送った、湘南ベルマーレの曹貴裁監督との知られざるエピソードを紐解いていく。(取材・文:藤江直人)

いわきFCが示した異質の「フィジカル」。7部相当のクラブ、固定観念に抗う挑戦

第97回天皇杯全日本サッカー選手権大会で衝撃を与えた、いわきFC(福島県代表)の快進撃が止まった。IAIスタジアム日本平で行われた12日の3回戦で清水エスパルス(J1)に0-2で屈し、北海道コンサドーレ札幌(J1)を撃破した2回戦に続くジャイアントキリングを逃した。もっとも、クラブが掲げるコンセプト「日本サッカー界のフィジカルスタンダードを変える」を随所で披露。7部に相当する福島県社会人リーグ1部で異彩を放つハードワーク軍団の挑戦は、まだ序章を終えたにすぎない。(取材・文:藤江直人)

ヴェルディで起きている変革。スペインの智将・ロティーナ監督が選手に与える要求

スペインのラ・リーガで一時代を築いた智将、ミゲル・アンヘル・ロティーナ新監督のもとで変貌を遂げつつある東京ヴェルディ。組織的な堅守をベースに、リスクを排除した戦いで上位に食らいつきながら突入した後半戦は、それまでの戦いから大きな変化が生じている。キャプテンのDF井林章の言葉をもとに、10年ぶりのJ1昇格を目指す、Jリーグ黎明期の盟主の現在地を紐解いた。(取材・文:藤江直人)

C大阪・山村和也、トップ下で開花した才能。ユン監督の慧眼。本人も知りえなかった潜在能力

前半戦を終えたJ1戦線で、最大の発見と言ってもいいだろう。ボランチやセンターバックを主戦場としていた昨シーズンまでと一変して、トップ下として眩い存在感を放っているセレッソ大阪の山村和也。今シーズンから指揮を執るユン・ジョンファン監督の慧眼に導かれ、12年ぶりとなる首位に立ったセレッソを攻守両面でけん引するプロ6年目の27歳の現在地に迫った。(取材・文:藤江直人)

川崎・阿部浩之、覚醒の秘訣。独特のスタイルへの順応。輝き放つチームの中心に

川崎フロンターレの阿部浩之が、28歳の誕生日にキャリアハイとなるシーズン8ゴール目を前半最後の一戦で叩き出した。ホームに浦和レッズを迎えた5日のJ1第13節でワントップとして先発。前半16分にキャプテンのFW小林悠の先制点をマークし、同29分には大黒柱のMF中村憲剛のアシストから2試合連続のゴールをマーク。後半からは左サイドハーフに回り、4‐1の快勝に貢献した。ガンバ大阪から加入して半年足らず。瞬く間に独自のスタイルに順応し、さらに覚醒しつつある秘密に迫った。(取材・文:藤江直人)

これぞ鹿島の底力。大岩新監督のもとV字回復。昨季の二冠王者、復調の舞台裏

昨シーズンの二冠王者・鹿島アントラーズが復調してきた。首位に立つ柏レイソルのホームに乗り込んだ2日のJ1第17節で、壮絶なゴールの奪い合いの末に3‐2の鮮やかな逆転勝利をゲット。石井正忠前監督の電撃解任から1ヶ月あまり。ヘッドコーチから昇格した大岩剛新監督のもとで、リーグ戦4連勝と怒涛のV字回復を遂げた舞台裏に迫った。(取材・文:藤江直人)

新生マリノス、“勝利の方程式”。J1連続フル出場新記録の鉄人、中澤佑二が語る「最適解」

横浜F・マリノスが不気味な存在感を放ち始めた。4シーズンぶりの5連勝をマークし、暫定5位でターンしたJ1戦線で、前半を耐え忍びながらスコアレスで折り返し、相手のプレッシャーが弱まる後半にゴールネットを揺らす、2017シーズン版の「勝利の方程式」を確立した。1日の大宮アルディージャ戦で、フィールドプレーヤーでは歴代最長となる140試合連続の先発フル出場を達成した39歳の大ベテラン、元日本代表のDF中澤佑二に進化しつつある新生・マリノスの現在地を聞いた。(取材・文:藤江直人)

Jリーグ、“入れ替え戦”復活の背景。上限クラブ数を「60」と想定した構造改革の視座

Jリーグは27日に都内で開催した定例理事会で、2018シーズンからJ1・J2昇降格決定方法を変更することを決めた。2012シーズンから実施してきた「J1昇格プレーオフ」の形式に、J1の16位チームが参戦する「J1参入プレーオフ(仮称)」が導入される背景には、拡大させてきたJ3の形式や上限チーム数を含めた、Jリーグの将来的な全体像を視野に入れた構造改革が含まれている。(取材・文:藤江直人)

G大阪・井手口陽介、堂安律との絆。宇佐美に続くガンバ生え抜き組がつなぐバトン

育成組織出身のホープ、18歳のFW堂安律が笑顔で旅立った25日の川崎フロンターレとのJ1第16節は、ガンバ大阪が誇るもう一人の若武者、20歳の日本代表MF井手口陽介が眩い輝きを放った夜でもあった。今節のJ1で最多となる41回を数えたスプリント回数を含めた、異次元の運動量でピッチを駆け回ったかと思えば、後半23分にはFW長沢駿の同点弾もアシスト。可愛がってきた後輩・堂安が旅立つ姿に触発され、進むべき道と未来の夢があらためて鮮明になった試合後の胸中を直撃した。(取材・文:藤江直人)

堂安律、笑顔での旅立ち。宇佐美貴史の背中を追って。感謝の念をパワーに変え欧州へ

オランダ1部リーグ・フローニンゲンへ期限付き移籍するガンバ大阪のホープ、堂安律が笑顔で国内最終戦を終えた。ホームの市立吹田サッカースタジアムに川崎フロンターレを迎えた、25日のJ1第16節に先発して後半19分までプレー。終了後に開催された退団セレモニーでは憧れて続けてきたFW宇佐美貴史(現アウグスブルク)に触発され、宇佐美と同じ19歳の夏に海を渡る決意をファンやサポーターに告げた。2020年の東京五輪で主役を期待される左利きのアタッカーは、28日に離日する予定だ。(取材・文:藤江直人)

栗原勇蔵、マリノス一筋CBの誓い。大幅減俸受け入れた33歳、16年目のプロ意識

今シーズン初の3連勝で暫定5位に浮上した横浜F・マリノスで、16年目を迎えた最古参、33歳のDF栗原勇蔵がいぶし銀の輝きを放った。オーストラリア代表DFミロシュ・デゲネクを欠いた、18日のFC東京戦で今シーズン初先発。闘志を前面に押し出す、体を張ったプレーで1‐0の完封勝利に貢献した。このオフに提示された大幅な減俸をあえて受け入れて残留したベテランが、ジュニアユースからひと筋で育ってきたマリノスへ抱く深い愛着を、ピッチの上でしっかりと具現化してみせた。(取材・文:藤江直人)

柏を変えた育成哲学。アカデミー育ちが台頭…ようやく見出した「8+3」の最適なバランス

 J1戦線で暫定首位をキープする、柏レイソルの先発メンバーが異彩を放っている。アカデミー出身の選手が実に8人を数える陣容は、Jリーグ全体でも稀有といっていい。U-12からU-18までのアカデミー全体が「自分たちがボールを保持する攻撃的なサッカー」というコンセプトで統一されたのが2010シーズン。長い年月をかけて追い求めてきた「8+3」、先発11人のうちアカデミー出身者が8人を占める目標を成就させる中で、最適のバランスを得た結果が今シーズンの快進撃につながっている。(取材・文:藤江直人)

無名の大学生からアジア屈指の強豪クラブへ。UAE移籍、塩谷司のサクセスストーリー

昨夏のリオデジャネイロ五輪にオーバーエイジ枠で出場した、サンフレッチェ広島のDF塩谷司がUAE(アラブ首長国連邦)の強豪アル・アインへ完全移籍することが決まった。J2の水戸ホーリーホックからはいあがるサクセスストーリーを描いてきた苦労人は、日本人には馴染みの薄い中東の地でプレーする「海外組」として心技体でさらなる成長を果たし、29歳で迎える来年のワールドカップ・ロシア大会の舞台に立つ夢をかなえる。(取材・文:藤江直人)

乾貴士、勝ち取った「ジョーカー枠」。2年ぶり代表で「楽しむ」を具現化できた3つの理由

約2年2ヶ月ぶりに日本代表復帰した、FW乾貴士(エイバル)の株が赤丸急上昇中だ。スペインの地で磨きがかけかれた切れ味鋭いドリブルと、ブランクをまったく感じさせない周囲とのコンビネーションを、途中出場した7日のシリア代表とのキリンチャレンジカップ2017で存分に披露。13日に待つイラク代表とのワールドカップ・アジア最終予選第8戦(テヘラン)における「ジョーカー枠」をも勝ち取った、29歳が掲げるキーワード「楽しむ」を実践できた3つの理由を探った。(取材・文:藤江直人)

柏、8連勝導いた転換点。怒涛のハイプレス集団への変貌。土台はアカデミーからの継続に

柏レイソルが絶好調だ。浦和レッズをホームの日立柏サッカー場に迎えた4日のJ1第14節では、身長155センチの最小兵Jリーガー、MF中川寛斗が頭で決めた先制弾を守り切って破竹の8連勝を達成。首位の座をキープするとともに、晴れて“暫定”の二文字も取れた。黒星が先行した序盤戦から一転、対戦相手を辟易とさせる怒涛のハイプレス集団と化したターニングポイントを探った。(取材・文・藤江直人)

波乱万丈のサッカー人生。元日本代表DF青山直晃がタイで挑む「弱肉強食」の戦い

川崎フロンターレが2戦合計7‐2のスコアで圧勝した、AFCチャンピオンズリーグ(AFC)のトーナメント1回戦。対戦相手のムアントン・ユナイテッドFC(タイ)には、かつてイビチャ・オシム監督に率いられた日本代表に“飛び級”で抜擢されたホープがプレーしている。タイの地へ渡って3年目。充実感と悔しさを同居させていた複雑な胸中を、DF青山直晃に直撃した。(取材・文:藤江直人)

川崎F、絶好調の秘訣。ACLで8年ぶり8強進出。怪我人続出経て厚くなった選手層

川崎フロンターレが絶好調だ。勝ち切れなかった4月までの戦いから一転、5月は公式戦で6戦全勝。グループリーグで4戦連続ドローにあえいでいたAFCアジアチャンピオンズリーグ(ACL)でも、気づいてみれば1位突破を果たし、決勝トーナメント1回戦でもムアントン・ユナイテッドFC(タイ)に2戦合計7‐2のスコアで圧勝。8年ぶりのベスト8進出を決め、J1でも好位置につける3つの要因を大黒柱の36歳、MF中村憲剛がムアントンとのセカンドレグ後に残した言葉から紐解いた。(取材・文・藤江直人)

ハリルJ最大のサプライズ。J1未経験の加藤恒平、“非メジャー国”経由選手の先駆者に

25日、6月の試合に向けた日本代表メンバーが発表され、ブルガリアでプレーする加藤恒平が初めて代表チームに招集された。J1でもヨーロッパ主要リーグでもプレー経験を持たないMFの選出はまさしくサプライズと言える。エリート揃いの代表チームにあって、異色の経歴を歩んできた加藤。ハリルジャパン入りを果たした今でも、視線は未来を向いている。(取材・文:藤江直人)

柏・中村航輔、満を持してA代表へ。元代表・川口能活も絶賛、レイソル守護神の現在地

ハリルジャパンに初選出された柏レイソルの守護神、22歳の中村航輔が飛躍の瞬間を迎えようとしている。最後尾で絶対的な存在感を放つチームは破竹の7連勝をマークし、J1を制した2011シーズン以来となる首位に浮上した。2年前に中村とピッチで対峙した元日本代表のレジェンド、GK川口能活の言葉をあらためて紐解きながら、心技体で成長を続ける中村の現在地を追った。(取材・文:藤江直人)

FC東京・米本拓司、大怪我からの復活劇。3度の長期離脱経て変化した姿勢

Jリーグ屈指のボールハンター、MF米本拓司(FC東京)が悪夢の大けがを乗り越えて、トップフォームを取り戻しつつある。過去に2度、左ひざの大けがで長期離脱を強いられた米本は、昨夏に今度は右ひざに全治8ヶ月の重症を負って戦線離脱。それでも手術と過酷なリハビリを乗り越えてピッチへ戻り、24日の柏レイソルとのYBCルヴァンカップでは復帰後で初めて先発フル出場を果たした。リーグ戦への復帰も秒読み段階に入った26歳の元日本代表が胸中に抱く、静かなる思いに迫った。(取材・文・藤江直人)

「FW闘莉王」の心意気。時限的ではないコンバート。大混戦J2、京都が放つ不気味な存在感

約3分の1を消化したJ2戦線で、京都サンガが右肩上がりの曲線を描き出した。一時は21位とJ3への降格圏に沈んでいたが、故障から復帰した田中マルクス闘莉王をフォワードで起用した愛媛FCとの第8節から一変。4勝4分けと無敗を続け、順位を12位まで上げてきた。上位をうかがう東京ヴェルディに敵地で逆転勝ちを収めた21日の第15節後に、今シーズンから加入した36歳の大ベテランは、胸中に抱く「フォワード・闘莉王」としての心意気を熱く語った。(取材・文・藤江直人)

市船出身の高卒ルーキー、そろってU-20W杯へ。原輝綺と杉岡大暉、崇高なライバル関係

20歳以下のナショナルチーム世界一を決めるヒノキ舞台、FIFA・U-20ワールドカップが20日から韓国で開催される。10年もの空白期間を越えて世界に挑むU-20日本代表は17日に韓国入りし、21日のU-20南アフリカ代表とのグループ初戦へ向けて最終調整を重ねている。選ばれた総勢21人のメンバーのなかで市立船橋高校(千葉)時代から切磋琢磨し、お互いを高め合ってきたMF原輝綺(アルビレックス新潟)とDF杉岡大暉(湘南ベルマーレ)の崇高なライバル関係を追った。(取材・文・藤江直人)

韓国発30年W杯4ヶ国共催案の非現実性。将来構想異なる各国。日本の目標は単独開催

2030年に開催される第24回FIFAワールドカップを、日本、韓国、中国、北朝鮮の4ヶ国の共催で誘致したいとする声が再びあがった。大韓サッカー協会(KFA)の鄭夢奎(チョン・モンギュ)会長が、突然表明した今年3月に続いて14日にも仰天構想に言及。出場国数が「48」に増え、国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティーノ会長も近隣国による共催を推奨する流れを受けての発言だが、4ヶ国が置かれた状況を整理していくと、絵に描いた餅で終わる可能性が高い。(取材・文・藤江直人)

ACL、日本勢3クラブがGS首位通過の意義。“潰し合い”は回避、「J」の出場枠維持へ

Jリーグの開幕前から行われてきたAFCチャンピオンズリーグ(ACL)で、決勝トーナメントに臨む16チームが出そろった。4チームが出場した日本勢では、鹿島アントラーズ、浦和レッズ、川崎フロンターレがグループリーグをそれぞれ1位で突破する好調ぶりを見せている。12月にUAE(アラブ首長国連邦)で開催されるFIFAクラブワールドカップへの出場権を争うだけでなく、2019シーズン以降のACL出場枠確保がかかっている今シーズンの熱き戦いを中間総括する。(取材・文・藤江直人)

柏・細貝萌がもたらす「勝利の方程式」。7季ぶりのJ復帰、レイソルでの新しい挑戦

3試合連続の無失点を含めて4連勝中の柏レイソルに、サッカー版「勝利の方程式」が生まれつつある。3月下旬にシュトゥットガルトから電撃移籍し、7シーズンぶりにJリーグへ復帰したMF細貝萌が、リードしている展開でのクローザー役として機能しはじめている。現時点で起用された5試合の勝率は100パーセントを誇るが、元日本代表の31歳は濃密な経験を若いチームに伝え、自らもレベルアップを果たすことで、少年時代にファンだったレイソルをさらに高いステージへ導こうとしている。(取材・文:藤江直人)

工藤壮人、「50番」に込めた決意と覚悟。広島の新エースが向き合う壮絶な重圧

3度のJ1制覇を誇るサンフレッチェ広島が、もがき苦しんでいる。4月30日のFC東京戦で今シーズン5度目の完封負けを喫するなど、9試合を終えてまさかの16位に低迷している。北米メジャーリーグサッカーのバンクーバー・ホワイトキャップスから加入し、エースストライカーを託された元日本代表の工藤壮人は自ら希望した「50番」に不退転の決意を込めて、目の前の現実に対する葛藤とも戦いながら、サンフレッチェを浮上させるためのゴールを追い求めていく。(取材・文・藤江直人)

浦和、ACL屈指の破壊力。5試合18ゴールの大爆発。前線の3枚が与える脅威

浦和レッズが2年連続でACL決勝トーナメント進出を決めた。ウェスタン・シドニー・ワンダラーズFC(オーストラリア)を埼玉スタジアムに迎えた26日のグループリーグ第5節で、攻撃陣が大量6ゴールと大爆発。1試合を残して、上海上港(中国)とともに2位以内を確定させた。J1でも首位を快走する原動力は、今シーズンの公式戦14試合で44ゴールを叩き出している圧倒的な攻撃力。そのうち32ゴールを占めている前線のトライアングルは、アジアでも屈指の破壊力を身につけつつある。(取材・文・藤江直人)

「湘南スタイル」継続が導く10代選手の積極起用という必然。ぶれない指揮官の熱い思い

湘南ベルマーレが異例の「夜空ミーティング」を開催した。壮絶なゴールの奪い合いの末に、FC岐阜と3‐3で引き分けた15日のJ2第8節を終えたばかりのピッチで、曹貴裁(チョウ・キジェ)監督が6人の選手を呼び止め、約15分間にわたって身ぶり手ぶりで熱弁をふるった。指名された6人のなかに齊藤未月、杉岡大暉、石原広教の18歳トリオが含まれていた点に、J2降格からの再出発を期す新生ベルマーレの未来を見すえた、曹監督のぶれない信念と熱い思いが込められている。(取材・文・藤江直人)

浦和・西川周作が抱く「数字」へのこだわり。代表正GK奪還へ、レッズで高める存在感

浦和レッズの守護神、西川周作が調子をあげてきた。公式戦で失点が続き、3月のワールドカップ・アジア最終予選では先発の座を川島永嗣(FCメス)に奪われた。しかし、7日のベガルタ仙台戦、11日の上海上港(中国)とのACL、そして16日のFC東京戦と3試合連続で完封勝利を達成。今シーズンで初めてJ1の首位に躍り出たレッズの最後尾で、逆襲へ向けて大きな存在感を放ちつつある。(取材・文:藤江直人)

KANZENからのお知らせ

scroll top